クジラータとモチラータ

クジラータは反生殖主義者である。
両親にその旨を伝えたときには彼らは少し悲しそうな顔をしていた。
あれから「孫の顔をいつか見たい」と言うことはなくなった。

 

クジラータはパイプカットの施術を受けた。
将来の自分の意志に自信が持てなかったからだ。
22歳の誕生日のことだった。

 

クジラータは頭が痛い。
最近、寝ても覚めても頭が痛い。
こんなに頭痛薬を飲んでいるのに。

 

クジラータは腹が痛い。
下腹部はモチのように腫れ(かすかに赤い)、触ると鈍痛がする。
始めの頃は無視していたが、どんどん大きくなってゆく。

 

クジラータは病院に行った。
主治医の先生に紹介してもらった大きな病院だ。
検査が終わり、病室の椅子に座らされた。先生が検査結果を見ている。
「どうやら妊娠しているようです」

 

クジラータは自殺した。

 

 

 

モチラータは今年で27歳になる。